調布・京王多摩川で暮らす上で本当に大切なこと、契約書には書かれない街の「重要事項(ジュウセツ)」を、そこに住む人・働く人の声を通じて紐解いていくラジオ『まちのジュウセツラジオ』。
第6回のゲストは、調布を拠点に「誰もが暮らしやすく、はたらきやすい社会の実現」を目指し、「多様なはたらきかたを実現するための事業」に取り組む「非営利型株式会社Polaris(ポラリス)」の大槻昌美さんと篠宮悠子さんです。
ユニークな組織の仕組みや、「普通の暮らしの視点」を仕事に変えるアプローチ、調布駅前のコワーキングスペース「co-ba CHOFU」をはじめとする温かい自治の育み方など、魅力的なお話が満載の本編を、本記事ではダイジェストでお届けします!
時間と場所に縛られない新しい組織
Polarisを語る上でまず驚かされるのは、その極めてユニークな組織形態と働き方です。
「雇用メンバーは共同代表2名と経理担当1名の計3名。それ以外のメンバーは案件ごとに業務委託契約を結んでおり、その数は全国で約150〜200人にのぼります。北海道から九州まで遠方のメンバーもいれば、地元・調布や京王線沿線のメンバーもいて、働く場所と時間を自分で選ぶ仕組みを作っています」(大槻さん)
実際に2014年から「業務委託」として活動してきた篠宮さんは、その自由さに救われたと言います。
「当時、子どもが小さく働ける時間が限られていましたが、自分の体調や子どもの都合に合わせて、受ける仕事の量を自分でコントロールできる主導権があるのは大きな魅力でした。アポ取りから執筆までを自分のペースで進められ、のびのびと働ける楽しさを実感しています」(篠宮さん)
雇用という枠に縛られず、個人が主体的でのびのびと働ける環境が、Polarisのフラットで温かいチームのベースになっています。

「特別なスキルはいらない」暮らしの経験を価値に変える仕事づくり
Polarisの創業の原点は、15年前に大槻さんたちが感じていた、子育て世代のキャリアロスへの強い課題意識でした。
「当時は『専業で子育て』か『フルタイムで復職』のほぼ2択しかなく、その間を埋める柔軟な働き方の仕組みを作ろうとしたのが始まりでした」(大槻さん)
そこで生まれたのが、「普通の暮らしの情報を価値に変え、仕事を創る」という発想です。その一例として、地域で暮らすリアルな声をマンション購入検討者に伝える「くらしのくうき」というサービスをあげていただきました。
「日々の買い物、ゴミ出し、学校の評判や坂道のことなど、実際の暮らしの知恵や生活者のリアルな言葉は、これから住む人にとって大きな価値になります。特別なスキルはいりません。むしろ、普段の暮らしを丁寧に送っている主婦の方の視点こそが最大の強みになるんです」(篠宮さん)
この「普通の視点」は施設運営にも応用されています。特定の管理者に頼るのではなく、4〜9人のチームが日替わりで施設を運営。行動マニュアルではなく、「みんなが気持ちよく過ごせるように」といった「心得」を全員で共有することで、時間や場所が異なるメンバー同士でも、進む方向性が自然と揃う仕組みを築いています。
お家のリビングのような、あるいは「寮生活」?
コワーキングスペース「co-ba CHOFU」
Polarisの現在の拠点であり、活動の象徴でもあるのが、調布駅すぐの場所にあるコワーキングスペース「co-ba CHOFU」です。 2021年の調布駅前への移転を機に、商店街のサポートなど、街の「御用聞き」として地道に地域との信頼関係を築いてきました。
現在、「co-ba CHOFU」には約60名の会員が在籍しており、その約6〜7割が調布市民。仕切りのないオープンスペースで「雑談・会話OK」というオープンな姿勢も特徴のひとつです。
「入会審査時に『サービスの行き届いた静かなシェアオフィスを求めている方には合いません。ここは共同生活でお互い様です』とお伝えしています。仕切りのないオープンな空間で、お昼時にはお弁当を広げてお家のリビングや『寮生活』のようにおしゃべりをしたり、顔が見える関係性づくりを意識しています。だからこそ、スタッフが常駐していなくても、メンバー同士が自発的に場所を気遣う『自治』が育まれているんです」(篠宮さん)
「co-ba CHOFU」では、スナックに見立てて交流する「スナックPolaris」や、地域の活動をしている唐品さんとコラボして「調布に友達を作ろう」をテーマに開く「調布交流会」など、地域の人々がふらっと気軽に関われて出会えるイベントも多数生まれています。

「共創の練習」の場と、これからの京王多摩川開発への期待
15周年を迎えたPolarisが新たにスタートさせたのが、11月から本格始動する「地域リビングラボ調布(1期)」です。
「リビングラボとは、一言で言えば『共創の練習の場』。街の中で誰かと一緒に新しいものを生み出すためのお作法やマインドを、全6回の講座を通じて学びます。お試しで行った『0期』では9名が参加しましたが、異なる世代や男女混合で温かい時間とプロセスを共有できました。今後はここから生まれたアイデアを、調布の街で実装していきたいですね」(大槻さん・篠宮さん)
現在、駅前開発が急速に進む京王多摩川エリアについて、お二人はこれからの期待を次のように語ります。
「私自身は調布に住んでいるのですが、京王多摩川というと、元々あったアンジェでバーベキューをした思い出があるくらいで、今まではなかなか足を運ぶ機会がないエリアでした。今回の再開発をきっかけに新しく生まれ変わり、日常的に行きたくなるような、これまでとは違う魅力的な多摩川沿いエリアになっていくのを楽しみにしています」(大槻さん)
「私は隣の狛江市に住んでいるので、多摩川沿いを進むと京王多摩川に着くという距離感です。やはり子どもが小さい頃にアンジェに遊びに行ったり、イベントの際に行ったりと、これまでは特別な用事がないと行かない場所でした。再開発によって日常的にふらっと立ち寄れるような素敵なお店や場所ができたら、もっと気軽に日常の生活圏として行けるようになるので、本当に楽しみです。」(篠宮さん)
Polarisが15年にわたって紡いできた「自分らしく働き、暮らす」ための仕組みと、そこに集まる人々の温かな熱量。これらは新しく生まれる京王多摩川、そして調布全体のコミュニティを紡ぐ大きな力になっていくに違いありません。
▼『まちのジュウセツラジオ』Vol.6 本編のご視聴はこちら!
大槻さんと篠宮さんが語る、Polaris創業期のさらにリアルなエピソードや、多様なメンバーを惹きつける「心得」の共有方法、そして「co-ba CHOFU」や「地域リビングラボ調布」がもたらす調布のまちづくりの未来については、ぜひPodcast本編でお楽しみください!
Vol6: 柔軟な働き方と心地よい場づくり。Polarisが語る、地域とつながるコミュニティの育て方
https://open.spotify.com/episode/4dmXYZihweNK5gcjXercAU?si=DdJTf171Rk-T2H-h986f_Q&utm_source=copylink&context=spotify%3Ashow%3A6MEVH5kRRgdBQBmXRwhuD6
次回の『まちのジュウセツラジオ』も、京王多摩川で面白い活動をしているキーマンをお呼びして、契約書には載らないディープな話をお届けします。お楽しみに!
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